目次
美容師が独立するには資金がどのくらい必要か
美容室は全国に25万店近くありコンビニよりもはるかに多くあります。そして更に増える傾向にありますが需要の方は減少しています。その為、競争が激しい業界ではあります。なので、資金に余裕をもって独立したいところです。
美容室の開業をするのにどのくらいの自己資金が必要かは、開業する事業規模により異なりますが、もし融資を活用するのであれば200万円程度はあった方が望ましいと思います。
ゼロで開業するのは無茶です。その理由は、
- 経営環境の変化で顧客数が想定より下ブレになるリスクに備える
- 自己資金が少ないと融資の審査で不利になる
更には、自己資金をコツコツためていると融資の審査で有利になります。融資の審査では通帳のコピーを提出を求められることがありますので、入出金には注意しておいた方が良いでしょう。
経営は必ず、上り、下り、があります。下りの段階で資金が無くなれば倒産になります。
設備資金・運転資金の考え方
美容師の独立資金を考える際の重要なこととして、設備資金、運転資金というものがあります。設備資金はイニシャル(初期)であり運転資金はランニング(運転)になります。運転資金は概ね2~3カ月程度となっています。
主には以下の様なものがあります。
<主な設備資金> | <主な運転資金> |
店舗の敷金 ・賃料の5か月分とか | 人件費 |
店舗の改装費 ・内装工事、看板等 | 水道光熱費 |
設備、備品 ・シャンプー台、ハサミ等 | 広告費 ・ホットペーパー、チラシ、リスティング広告等 |
そして、以下の左の資金使途に先ほどの設備資金、運転資金がきます。そして、右側が資金調達になります。
前述で一般的に自己資金が200万円位必要と書いたのは以下の計算によるものです。
損益分岐点をおさえる
もう一点、資金調達において考えておくべき点が、損益分岐点(VEP:breakeven point )です。つまり、売上が変動費、固定費を上回る地点を詳細に予測しておき、余裕のある事業規模を見極める必要があるのです。
事業規模が大きく、資金的な余裕が少ないと売上の立上がりが遅れるだけで資金繰りが悪化し倒産のリスクがあります。
つまり、VEPを超えるまでは資金が流出していきますのである程度の余裕が必要なのです。
公的な融資制度を上手く活用する
創業時には金融機関から融資をしてもらう方法があります。但し、創業直後は民間の金融機関がプロパー融資をする事はほとんどありません。
その為、公的な創業制度を活用し融資を得る事になります。
美容師独立の資金不足は公的制度を活用する
美容師の独立では、前述の通り設備資金、運転資金共に結構な額が必要になります。その調達方法として以下の2つの手段が一般的です。
日本政策金融公庫の融資制度
日本政策金融公庫は政府が100%出資する政府系の金融機関です。主に美容師の独立では以下の制度が利用されます。
- 新創業融資制度
- 新規開業資金
- 中小企業経営力強化資金
- 女性、若者/シニア起業家支援資金
融資金額、利息、担保・保証の有無などが違ってきますので条件をよく確認する必要があります。
特徴としては融資実行までの期間が短い(迅速)という特徴があります。
美容師は客商売であり、スピーディーに店を開店する必要がありますし、良い物件が見つかれば迅速に勝負する必要があります。
美容室は保健所の許可もいるため、迅速な融資は心強いかと思います。
信用保証協会の創業保証
信用保証協会の創業保証とは、民間金融機関の融資に保証協会が保証するというちょっと複雑な仕組みです。公的機関の保証協会が保証するので、創業者であっても民間金融機関は安心して融資が出来るというものです。
市区町村の斡旋制度等を通じて利用するケースも多く、エリアによっては利息補助がありります。エリア毎に手続き方法が異なるため、まずは民間の金融機関に問い合わせると良いでしょう。
特徴は、利息が低い、融資実行までに時間がかかる事。
その為、日本公庫、保証協会の制度を上手く併用する方も多くいます。
美容師で独立する際の許認可
美容師が独立する際に資金調達をしますが、前述の公的制度を活用する場合、資格や許認可を準備しておく必要になります。
- 美容師の資格
- 管理美容師の資格保有者(人を雇う場合)
- 保健所の許可
これらが融資審査のどのタイミングで必要になってくるかは事前によく確認して計画的に進めていく必要があります。
特に保健所の許可は、美容師の独立資金確保でよく失敗がある部分です。
金融機関、保健所、不動産会社、と連絡を密に取り迅速に対応していく必要があります。
補助金・助成金を上手く活用する
独立される美容師が良く活用する、補助金・助成金があります。
美容師の独立資金の確保は融資だけではない
主なものは以下の通りです。補助金・助成金は返済不要であるため、活用できるものは是非獲得したいですね。
美容室はある程度、人の入替りがあるため人に関する助成金は要ウォッチです。
- 小規模事業者持続化補助金(販路開拓系)
- 東京都創業助成金(創業系)
- キャリアアップ助成金(採用系)
- 人材開発支援助成金(教育系)
美容師の経営を考える
美容師の経営「美容師が経営に失敗しないためのポイント」